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Breastfeeding Support Network of JAPAN (BSNJapan)

母乳育児は最高の投資

世界母乳育児週間 1998

 
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2003アジアの母乳育児支援ネットワーク連続講座講演録

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BSNJapanは世界母乳育児行動連盟(WABA)の承認団体であり、乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)のメンバーグループでもあります。


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WBW1998 母乳育児は最高の投資

1998年母乳育児週間の目標
母乳育児の経済面での利点
母乳育児にかかる費用
人工栄養にかかる費用
完全母乳育児
完全母乳育児を早くにやめてしまうと
早期に母乳以外のものを足すと商業製品への依存が高まる
経済的な価値についての研究
母乳の経済的な価値
母乳育児推進は、健康保険への支出を減らす
母乳育児をすることで節約できること
行動のためのアイディア
母乳育児には、単なる節約以上の価値がある

 1998年母乳育児週間の目標

世界中の家族、地域社会、国が子どもたちの健康と福祉を促進しようとしている。
残念なことに、多くの場合、栄養のある食べ物を買うお金や、きれいな水や、予防的もしくは治療的保健制度などの不足が、子どもたちの健康と福祉を阻んでいる。
母乳育児を応援するために、ほんの少しだけ投資をするだけで、家族も雇用主も地域社会も健康保険制度も政府も、多くの利益を得ることができる。

1998年の世界母乳育児週間は、国の健康への投資として母乳育児の保護、促進、援助を呼びかけている。今年の目標は以下の3つである。

母乳育児がいかに経済的に意義があり、また人工乳がいかに高いかを公衆にわかってもらう。
公的に母乳育児を応援してもらうために、母乳育児の経済的な利点について具体的なデータを供給する。
政府が母乳育児の経済的な価値をよく理解し、母乳育児を促進する企画のサポートを国の保健予算に加える必要を認識してもらう。

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 母乳育児の経済面での利点

母乳育児は社会の様々の場で経済面での利益をもたらす。

 家計にとって

母乳代用品やその器具といった不必要な物の節約になる。
病気にかかるのが少なくなるので病院に行く回数も減り、薬代もかからず、病児を看病する時間も少なくなるので医療費の節約になる。
水を沸かしたり、哺乳びんを洗ったりといった準備にかける時間の節約になる。
避妊具も節約になるし生理用品の節約になる。
病気の子どもの世話をするために仕事を休むことも少なくなるので時間の節約になる。

家計を考えても、高い乳児用人工乳や商業用の乳児食品を買うお金を節約できるだけではなく、その器具や光熱費の節約にもなるし、準備や後片付けに必要な時間の節約にもなります。
母乳育児は家計を圧迫しない

 雇用主にとって

生産性が上がり、労働者はもっとその企業に尽くすようになり、赤ちゃんを持つ労働者の欠勤が減るので経済能率が上がる。

母乳育児は仕事の生産性を向上させる
母乳育児をするのに必要な施設や母乳育児をサポートする方針の雇用主は、病気の子どもの世話をするために仕事を欠勤することがより少ない忠誠心を持った労働者に恵まれます。


 国にとって

海外からの輸入も含めた商業的母乳代用品の購入や分配が節約できる。
予防可能な急性及び慢性疾患にかかる医療費が節約できる。
母乳代用品や容器の生産、分配、廃棄が減れば、その分、環境破壊を避けることができ、余分なお金が節約できる。

母乳育児は公費節約、環境保護につながる
外貨交換を節約し、保健施設への予算を減らことができるので、母乳育児の支援は国民のための有効な投資となります。 


前ユーゴスラビア出身の家族が母乳育児をしなかったら、生後6ヵ月に母乳代用品を買うために全収入の約70%を使わなければならない。現在、4ヵ月の赤ちゃんのうち混合栄養も含めて母乳育児をしているのは、たった30%である。
母乳率を70%に増やせたなら、年間4億4900米ドルもが節約になり、毎年99,000の呼吸器感染症、33,000の中耳炎、123件の早期発症性の糖尿病、84 件の小児ガン、152件の卵巣ガンがなくせることになる。
産業先進国においても人工栄養の費用は膨大なものになるのである。(文末の参照事項:1)

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 母乳育児にかかる費用

母親が食べる物の費用。
働く母親への有給休暇や職場内保育所といった適切な母性保護を与える費用。
母乳育児を教育し、母親同士のサポート・グループのようなボランティアの母乳育児団体を維持する費用。

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 人工栄養にかかる費用

人工栄養(母乳代用品を赤ちゃんに飲ませること)に、団体、国、政府、健康保険会社、医療団体、家族は、何兆円もの費用をかけている。

 医療

生後1年間人工栄養で育てると:
下痢が多くなる。
呼吸器疾患が多くなる。
髄膜炎が多くなる。
中耳炎が多くなる。
アレルギーが多くなる。
慢性消化器系疾患、歯の問題、歯科矯正的問題が増える。
学習障害、発達の遅れが見られることが多くなる。
入院回数が増える。
多くの国では、水で薄めた人工乳、安全でない水、不衛生により、栄養失調や死亡率が増える。

 家計

家族は、人工乳などの母乳代用品、哺乳や消毒のための道具や燃料のための費用を払わなければならず、下痢などの病気のためにかかる医療費もかさむ。
人工乳は買いに行ったり、用意するのにも時間がかかる。多くの発展途上国の田舎では、毎日、水と薪を集めるために何時間も費やさなければならない。例えば、生後3ヵ月の赤ちゃんは、調乳と沸騰のために一日3リットル以上の水を必要とし、水を沸騰させるためには200グラムの薪を必要とする。)(2)

アルゼンチンの人は、人工乳を買うのに1ヵ月50米ドルを費やすのだが、同じお金で、15kgの肉、75kgのオレンジ、あるいは50kgの野菜を家族のために買うことができる。

 会社

人工乳育ちの赤ちゃんは、母乳育ちの赤ちゃんに比べ、ひんぱんに病気にかかりやすく、かかると長引きやすい。
したがって、母乳育児をしていない母親は、より欠勤が多くなる。
これに対し、米国で母乳育児支援の企画を導入した会社では、27%欠勤が減り、健康保険で支払う費用が36%減っている。(3)

 

輸入品の母乳代用品を使うと、貴重な外貨が減り、必要な食糧を調達できなくなる国が出てくる恐れがでてくる。

パキスタンでは、人工乳の輸入に1982-3年に400万米ドル、1987 -1988年に850万米ドル、1995年の7月から1996年の4月までに4350万米ドル支払っている。(4)

ガーナで皆が母乳育児をしていたら、母乳生産の純益は、1億6500万米ドルになる。実際に母乳育児をしていないことで「失っている利益」は3300万ドルにのぼる。(5)

すぐれた品質の物、すなわち母乳の代りに、より劣った物を買うのに、外貨を支払っているということになる。
同時に、人工栄養は、森林の砂漠化をエスカレートさせ、ごみの問題を増やしている(このことは、1997年の「母乳育児〜自然のとる道」で述べた通りである)。
さらに、母乳育児をしないことで子どもたちが理想的な身体発達、知的発達をとげることができなくなると、国は人材を損失してしまう。
母乳代用品に家族が支払う費用に年間の出生数をかけただけでは、「母乳育児をしないこと」で国が失う費用すべてを算出することにはならないが、保守的に見積もった政策上のヒントにはなりうるだろう。

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 完全母乳育児

完全母乳育児生後6ヵ月間は、赤ちゃんの体重が正常に増加していれば、赤ちゃんは完全に母乳だけを飲むべきである。離乳食は6ヵ月以前に始めてはならない。(注6)
なぜなら、離乳食が、母乳にとって代ってしまい、よりよい発達に結び付かないからである。(注7)

現在用いられている乳児成長曲線のグラフは、多くは人工乳育ちの赤ちゃんの成長を基に作成されている。母乳育ちの赤ちゃんは、人工乳育ちの赤ちゃんと成長の度合が違うのだがそれを知らない医療関係者が、必要がないのに人工乳を足すように指示することがよくある。(注8)

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 完全母乳育児を早くにやめてしまうと

栄養補助品は、母乳より栄養価の劣るものなのに、ふつうは、その劣ったものを足すことで母乳の量が減ってしまう。
より小さく抵抗力のない月齢で、不必要な汚染や感染にまきこまれることになる。
栄養失調や死にも結び付く可能性がある。
子どもの知的発達が阻害されるかもしれない。
母乳育児による自然避妊の効果が半減し、兄弟姉妹の年齢差が縮まることで低体重児の生まれる危険性が高くなる。
母親にとっては、気持ちが落ち着くホルモンであるオキシトシンが失われる。

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 早期に母乳以外のものを足すと商業製品への依存が高まる

乳児用食品会社やそこから資金をもらって研究をしている科学者たちは、早くに母乳以外のものを赤ちゃんに与えることを勧める。
そうなれば、高価な乳児用食品に依存するようになることがわかっているからである。

このことを認識している「IBFAN(乳児用食品国際行動ネットワーク)」は、その他の組織と合同で、母乳代用品の販売流通に関する国際規準に違反している乳児用食品会社の宣伝や販売工作を監視している。
また、製造者が偽りの申告をしていないかどうか監視している。

多くの女性は、母乳が「生きた」ものであり母乳代用品よりもはるかに高品質であることを知らずに、人工乳が、母乳と同じくらいよいものであるかのように、あるいは、もっとよいものであるかのように信じ込まされてしまっている。

女性が母乳育児をしない理由で最も多いのは、母乳が足りないから、あるいは母乳が「出なくなってしまった」からというものである。
実際には「母乳不足症候群」や「母乳がとまること」は、ひんぱんに授乳することと、自分の赤ちゃんを自分の母乳で育てることができるのだという母親の自信によって、乗り越えることが出来る。
多くの場合は、乳児用食品産業としっかりした訓練を受けていない医療従事者から混合栄養を勧められてしまい、母乳育児をする自分の能力への信頼が揺らいでしまうのである。

母乳には経済的価値がある!

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 経済的な価値についての研究


母乳育児の価値はお金では換算できないほどすばらしいものである。
完全母乳育児を応援するためには、まず社会の皆にその重要性をしっかりと認識してもらうことが大事である。
愛は経済的な価値では計れないからである。
ほとんどの女性は、母乳育児をすることにプライドをもっている。

母乳育児は、女性ならではの社会への貢献のひとつであるが、それにはお金では買えないすばらしい価値がある。
しかしながら、母乳を食糧の収支で考えて見ると、その価値がより明らかになる。(注9)国の食糧供給として母乳の貢献度を計算すると、そのすばらしさがわかりやすくなる。だから、政治家や立法家に、具体的にこの活動の大切さをわかりやすい形で知らせることができる。

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 母乳の経済的な価値

1992年の報告によれば、ノルウエーでは、820万リットルの母乳が作られ、ノルウエーの病院が支払う代価の1リットル50米ドルで計算すると、4億1000万米ドルの産出があったことになる。
産業で生産された乳児用食品の価値が国民総生産(GNP)に含まれているというのに、母乳のこうした価値はGNPに含まれていない。
だから、おかしなことに母乳育児の率が上がると、GNPが減ってしまうことになってしまう。(10)

いくつかのアフリカの国では、平均一人あたり10kg(8-17kg)の幅がある。)の資産として年間の母乳の産出を見積もっている。母乳の価値を1リットルあたりたった1ドルで計算したにもかかわらず、GNPに加えるとジンバブエでは、GNPが1%、マライでは6%GNPが上昇する。(11)

オーストラリアで年間作られる母乳の価値は、17億から27億オーストラリアドルと計算されている。
もし、イノチェンティ宣言にある母乳育児の目標が果たされたら、母乳の価値はもう34億オートラリアドル増加し、国内総生産(GDP、GNPから国外投資による利益を除いたもの) は3.1%上昇し、健康のために40%増の歳出が見込める。(9)

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 母乳育児推進は、健康保険への支出を減らす

一人の赤ちゃんが6ヵ月間母乳育児をすれば、米国政府は、福祉と医療にかける歳出を一人につき400-800米ドル減らせる。(12)
米国では、人工栄養が原因の疾患をお金に換算すると、乳児下痢症に年間2億9100万米ドル、呼吸器系ウイルスに2億2500万米ドル、中耳炎に6億6000万米ドル、インシュリン依存糖尿病に1 000万から1億2500万米ドル支払っていることになる。(13)
オーストラリアで3ヵ月までの完全母乳育児を60%から80 %増やすことができれば、中耳炎、インシュリン依存糖尿病、胃腸疾患,湿疹にかかる医療費を1150万オーストラリアドル節約することができる。(14)
インドでは、完全母乳をすることで1人あたり1回だけでも下痢を予防することができるとすると、それによって節約できるお金は子どもの健康のための国家予算を超えることになる。この国では、母乳育児による授乳性無月経が、避妊方法としていちばん使われるのであるが、これは、家族計画予算のほぼ半額をしめるほどの価値がある。(15)

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 母乳育児をすることで節約できること

メキシコでは病院を基盤にした母乳育児の企画は一人の子どもの命を救うために4米ドルしかかからない。これは、はしかワクチンや脱水症への経口療法のような介入よりもさらに経済効率かいい。(16)

たった一人の赤ちゃんが6ヵ月母乳育児をするだけでも、米国政府は福祉と医療にかけるお金を450-850米ドル節約できる。

イランでは、完全母乳育児率が1991年の10%から1996年には53%にまで上昇した。この期間、母乳代用品の輸入は5000万米ドル減らすことができた。

オーストラリアでは、3ヵ月までの完全母乳育児が60-80%増加すれば、1150万オーストラリアドルの節約になる。(14) 
 
残念なことに、多くの国では、乳児のいる家庭に無料、もしくは安価で粉ミルクを配給しており、それが、低母乳育児率につながっている。米国の「女性、乳児と子どものための企画」は、母乳育児をしている女性に配給する食糧の2倍の金額を母親一人当たりに支給する乳児用人工乳に費やしている。(3)

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 行動のためのアイディア


南アメリカ、ブラジルでの母乳育児週間

あなたの国の母乳代用品の費用を計算し、その費用でいくら家族に食糧を買えるか調べよう。一人の赤ちゃんは、6ヵ月間に約22kgの人工乳が要る。言い替えれば、最初の1ヵ月に2.5kg、2ヵ月めには1ヵ月で3.2kg、それ以後は、1ヵ月あたり4kgの人工乳を必要とする。有名メーカーの人工乳が、1kgあたりいくらなのかを調べて、半年間人工乳で育てたら、いくらかかるのか計算してみよう。でも他にも費用がかかるということを忘れないで。
概算でいくと、(母乳育児をしないことで)ある一定期間にかかる医療費は、その時期に費やす人工栄養の値段の2倍かかる。これを参考にすれば、家族にとって、あるいは国にとって、人工乳の実際のコストがどのくらいかかっているのかをより正確に見積もることができる。


インドネシアでの世界母乳育児週間

人工乳にかかるコストについて地域の学習会で話し合ったり、発表したりしよう。
あなたの仕事の上司に、職場に母乳育児の企画を作ることで経済的な利益があることを語ろう。WABAの「お母さんにやさしい職場への条件」の情報を、WABAのホームページから引用しよう。
テレビや新聞などのメディアを使い、「お母さんにやさしい職場」の賞を作ったりして、母乳育児を奨励している職場を一般に宣伝してもらおう。
母性保護の法律、労働法、健康のための企画を担当している政府の人々にこの資料のコピーを渡そう。
母乳育児をしないことでかかる実際のコストについて、学校、女性団体、企業などで発題しよう。
母乳育児が地域にとっても貴重な自然の資源だということを人々に認識してもらおう。一人当たり一年間に費やす人工乳のコストを計算し、子どもの数をかけ、それを一人あたりのGNPと比べてみよう。
学生に母乳育児に関連する課題でレポートや論文を書かせましょう。


アフリカ、ベニンでの母乳育児週間

地方自治体や国の政府代表に世界母乳育児週間について手紙を書き、政府の施設でも母乳育児を推進し、スタッフの母乳育児をサポートするように頼もう。
母乳育児を推進することで、病院、医療施設、家族計画の公的企画、家族のむだなコストを減らし、節約できる方法があることを提案しよう。
医療専門家に頼んで、経済学者や統計学者、健康や食べ物関連の統計に関係している人に対し、食糧供給、食糧利用、及び、食糧の栄養価、経済的価値の統計の中に母乳も含めて計算するように言ってもらおう。
母乳育児率が増えれば、病院のコストがいかに減らせるかを示そう。点滴液、母乳代用品、哺乳びんを買うお金も節約できるし、スタッフの授乳時間もなくなるし、未熟児や新生児の入院期間もくなり、薬代も節約できることがわかってもらえるだろう。
母乳育児を擁護するためには、母乳育児をまず女性の権利として捉えることが大切である。それから、その経済的な利点を示して、輸入乳児用食品や医療費にかかるコストを減らしたら自分のためにお金を使えるようになることを示して、母乳育児を推進する行動を奨励するとよい。

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 母乳育児には、単なる節約以上の価値がある

経済的なデータを出すことは、政策担当者に、母乳育児の大切さをわかってもらう機会になるが、あまりに経済的な価値を強調するあまりに、母乳育児のよりすばらしい価値を低く見積もることになってはならないとWABAは、考えている。母乳の経済的な価値は、人間の幸福のための一部に過ぎない。母乳育児は、スキンシップになるし、赤ちゃんとお母さんの絆を確実に深める。哺乳びんでの授乳はこれを保証することはできない。

また、母乳の生産とその食物としての価値を話し合う時、自分が牛と比べているかのように感じる女性もいるので、気配りが大切である。
政策担当者は、完全母乳育児の大切さを知り、母親がサポートを受けられるようにし、働く女性にサポートをし、母乳育児が損なわれないように、乳児用食品産業を規制する制度を作る必要があることを知るべきであろう。

今年の情報紙は、母乳育児の経済的な価値を提示し、母乳育児の経済的な価値を見直す道具として使うために作成された。WABAは、コストの節約のみが、母乳育児の利点ではないし、主なる利点ではないことを強調したい。

何といっても、お母さんと赤ちゃんには、母乳育児をする権利がある。女性が、母親業と他の仕事のどちらかのみを選ぶ必要があるような状況は好ましくない。
社会のためにも、母乳育児を推進し、企画をサポートし、働くお母さんの授乳時間を勤務時間に組み込み、さらには、母乳育児をする女性にお金を支払うくらいのことがあってもいいのである。ケベックやカナダでは、 1995年以来、公共援助を受けている母親が、母乳育児をしようとする場合には、助成金を支給する企画がある。

母乳育児をするお母さんは、母乳代用品の販売流通に関する国際規準に書かれているように、母乳代用品の宣伝や推進から保護されなければならない。お母さんには母乳で育てる権利があるし、赤ちゃんには、母乳を飲む権利がある。

母乳育児の成功は、決して情報をたくさん持った人、金持ち、幸運な人のみの贅沢であってはならない。

 生後3ヵ月の赤ちゃんのために購入する母乳代用品は、最低賃金の何パーセントを占めるか

ドイツ 1kgあたりUS&16.40 月にかかる費用US$67.24 最低賃金US$1149/月
賃金の6%を占める
ポーランド 1kgあたりUS$24.51 月にかかる費用US$100.49 最低賃金US$394/月
賃金の26%を占める
マレーシア 1kgあたりUS&7.42 月にかかる費用US$30.42 最低賃金US$143/月
賃金の21%を占める
フィリピン 1kgあたりUS&11.00 月にかかる費用US$45.10 最低賃金US$119/月
賃金の26%を占める
スロバキア 1kgあたりUS&8.33 月にかかる費用US$34.15 最低賃金US$79/月
賃金の43%を占める
インドネシア 1kgあたりUS&6.73 月にかかる費用US$27.60 最低賃金US$55/月
賃金の50%を占める
ニュージーランド 1kgあたりUS&8.78 月にかかる費用US$36.00 最低賃金US$764/月
賃金の5%を占める

この情報は、次の方々からWABAに寄せられました。
Tui Bevin, AFS, PPPIM, Pro Vita, N. Clavano, K. Kostyra and YLKI


 参照

1. Tolstoplatov B, et al. (1996). Cost of Infant Feeding in the Former Yugoslavia. International Child Health, vii(1);39-44.
2. Cohen R and Mrtek MD (1995). Comparison of Maternal Absenteeism and Illness Rates Among Breastfeeding and Formula Feeding Women in Two Corporations. American Medical Journal of Health Promotion 10(2):148.
3. Linkages, AED (1998). Ghana: suboptimal breast-feeding in infants. Washington, DC: Linkages, AED.
4. Network Newsletter of the Association for Rational use of Medication in Pakistan 5:1, March 1996, page 13.
5. American Academy of Pediatrics Working Group on Breastfeeding (1997). Pediat rics 100(6): 1035-9.
6. Cohen RJ, et al (1994). Effects of age of introduction of supplementary foods on infant milk intake, total energy intake and growth: a randomized intervention study in Honduras. Lancet 344: 288-93.
7. WHO Working group on Infant Growth (1994).An evaluation of Infant Growth. Geneva: WHO.
8. Smith JP and Ingham LH (1997). Unpublished manuscript on the economics of breastfeeding in Australia.
9. Oshaug A and Botten G (1994). Human milk in food supply statistics. Food Policy 19(5):479-482.
10. Hatby A and Oshaug A (1997). Human milk?an invisible food resource. Washington DC: International Food Policy Research Institute.
11. Tuttle CR and Dewey KG (1996). Potential cost savings for Medi-Cal, AFDS, Food Stamps and WIC programs associated with increasing breast-feeding among low-income Hmong women in California. J Amer Dietetic Assn 96:885-890.
12. Riordan JM (1997). The cost of not breastfeeding: a commentary. Journal of Human Lactation 13(2):93-97.
13. Drane D (1997). Breastfeeding and formula feeding: a preliminary economic analysis. Breastfeeding Review 5(1):7-15.
14. Gupta A and Rhode J (1993). Economic Value of Breast-feeding in India. Economic and Political Weekly, June 26, pp. 1390-3.
15. WELLSTART International (1996). Breastfeeding Promotion: A Cost Effective Intervention. Washington DC: WELLSTART EPB.
16. UNICEF (1998). State of the World's Children. New York:UNICEF.

WABA(世界母乳育児行動連盟)は、地球規模のネットワークです。
WABAは、母乳育児がすべての子どもと母親の権利であると考えています。
この権利を保護し推進し支持することを使命とし、イノチェンティ宣言に従って行動しています。
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