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Breastfeeding Support Network of JAPAN (BSNJapan)

生後6ヵ月間は母乳だけでOK!

安全、安心、持続可能なゴールド・スタンダード

世界母乳育児週間 2004


 
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2003アジアの母乳育児支援ネットワーク連続講座講演録

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BSNJapanは世界母乳育児行動連盟(WABA)の承認団体であり、乳児用食品国際行動ネットワーク(IBFAN)のメンバーグループでもあります。


金色のリボン

金色のリボン

最初は母乳だけ、その後も他の食べ物を補いながら母乳を与え続ける。金色のリボンは、その「ゴールド・スタンダード」、つまり理想のありようの象徴です。

リボンの1対の輪はそれぞれ、お母さんと子どもを表しています。そして真ん中の結び目は、それを支えるお父さん、家族、社会を表します。リボンの端はそれぞれ、生後6ヵ月以降赤ちゃんの成長に合わせて与える補完食と、母乳育児を続けることできょうだいの年がちょうどよく3〜5歳離れることを示しています。

このリボンは、WABA (世界母乳育児行動連盟) とユニセフ が共同で提唱している、人種や国境を超える世界的な運動の象徴なのです。誇りをもって金色のリボンを身につけ、このリボンの持つ多くの意味を皆に説明しましょう。

さらに詳しい情報をご希望の方は、
 ★ ユニセフのページ
 ★ WABAのページ
を参照してください。(英文)




 ユニセフ (国連児童基金)WABA(世界母乳育児行動連盟)




世界的な運動戦略

2002年に、WHOとユニセフは、「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」[1]を発表しました。
これは、政府その他の国家機関に対し、母乳育児を徹底するために必要な措置を求めています。
つまり、すべての保健衛生及びその関係部局が、お母さんが生後6ヵ月までは母乳だけで赤ちゃんを育て、その後も2歳、あるいはそれ以降まで与え続けられるように、保護、推進、支援すること、そして、女性がその目標を達成するために家庭で、地域で、職場で必要とする支援を受けられるようにすることです。



特別な状況で「母乳だけで赤ちゃんを育てる」

「母乳だけで赤ちゃんを育てること」とHIV

HIV陽性のお母さんが授乳した場合、10−20%の赤ちゃんは感染する可能性があります。
しかし、そのためにお母さんが母乳を赤ちゃんに与えないという選択をしたとしても、赤ちゃんは人工栄養によるあらゆる危険にさらされることになります。
それは、安全に人工乳を準備することが困難な場合、また、感染症の危険が高い場合、特に深刻です。

個別の状況に応じて、最適な乳児栄養の方法を決めるために、 HIV陽性のお母さんはカウンセリングを必要とします。
その後も、選択した方法を可能な限り安全におこなうためには、熟練した支援が必要です[13]。

以下のような方法も、感染の危険を減らします。
■母乳だけを与えます。
■適切なテクニックを用いて授乳し、乳腺炎や乳頭痛を予防します。
■母乳育児を早めに切り上げます。持続可能で安全である代用栄養が経済的に、また現実として無理なく手に入るようになりしだい、そうでなくても生後6ヵ月ごろがいいでしょう。

お母さんが、自分がHIVの陽性か陰性かが分からない場合は、「ゴールド・スタンダード」に沿って母乳育児をするのがいいでしょう。

低出生体重児(LBW:出生体重2500g未満)の場合でも、母乳だけで育てられると、発育も健康状態も、より良好になります。
出生直後の数日間、赤ちゃんの状態が落ち着くまでは、母乳以外の栄養補助が必要かもしれません [14]。
カルシウムやリン酸塩のようなサプリメント(栄養補助食品)は、必要に応じて、母乳に合わせて与えることができます。
胎内でお母さんからもらう貯蔵鉄が一般より少ないので、鉄分の補充が生後約8週目から必要かもしれません [2]。

早産児のうち、8週間早く生まれた赤ちゃんは、乳房を吸うことができます。
4週間早く生まれた赤ちゃんは、完全に乳房から栄養を取ることができます。
大きな赤ちゃんと比べてより頻繁に、長い時間をかけて母乳を飲む必要があるかもしれません。
赤ちゃんが乳房から直接飲むだけでは不十分な場合、お母さんが搾乳してその母乳をコップであげることもできます。(訳注:これをカップ・フィーディングといいます)
搾乳とカップ・フィーデイングを学んだお母さんが、他のお母さんに、非常に上手に教えたり、助けたりすることもよくあります。

日光を浴びない赤ちゃんの場合は、ビタミンDを与えられることで、くる病(ビタミンDの欠乏により骨が弱くなる病気)を予防する効果が得られるかもしれません[3]。



WBW2004赤ちゃんが生まれてからの6ヵ月間、母乳だけで育てるのは、安全で、安心で、持続可能な育て方です。
しかも、母乳育児が大切なのは、最初の6ヵ月に限られたことではありません。
WHO(世界保健機関)とユニセフ (国連児童基金)では、適切な補完食(離乳食)を食べさせながら、母乳育児を2年以上続けることを勧めています[1]。
このように育てると、赤ちゃんは本来の理想的な発達を遂げます。
けれど、生後6ヵ月間母乳だけで赤ちゃんを育て、その後も母乳育児を続けるためには、母乳育児の大切さや実践方法を知ること、適切なサポートを受けることが必要です。

「生後6ヵ月間母乳を飲むことで、赤ちゃんはこの期間に通常必要としているすべてのものを摂取することができ、他の余分な飲み物も食べ物も必要ない」という点で、現在、専門家たちの意見は一致しています[2]、[3]。
ここでいう「母乳だけで赤ちゃんを育てる」とは、赤ちゃんが、お母さんや乳母の乳房から直接飲む、あるいは搾乳されたもの以外は何も口にしないことを指します[4]。

多くの場合、いざやってみれば、生後6ヵ月間、母乳だけで育てることはとても楽なものです。
赤ちゃんの食べ物や飲み物が足りているか、与えてよいものなのかなどと心をわずらわせる必要もなく、赤ちゃんに余分な食べ物や飲み物を与えるためにかかる手間も費用も省くことができるのですから。

残念なことに、多くの国では、「母乳だけで赤ちゃんを育てる」のは珍しいことになっています。
そこで今年は、以下の3点を、誰もができるようにお手伝いすることを、世界母乳育児週間の目標とします。
その3点とは、
 1.「母乳だけで育てる」ことを理解すること。
 2.その利点を信じること。
 3.できる限り、お母さんがそうできるように支え、励ましていくこと。
です。

母乳だけで赤ちゃんを育てる…安全です

母乳は単なる食べ物以上のものです。
母乳は生きています。多くの免疫物質を含み、赤ちゃんがまだ自分を守ることができない時期(注:自分で免疫を作り出すことがまだできない時期のこと)に、赤ちゃんを常に積極的に感染から守ってくれます[5]。
生後数日間、お母さんは抗体を非常に多く含む初乳を通して、理想的な免疫を赤ちゃんに与えます。
初乳の量は少ないですが、それが、この時期に赤ちゃんが必要とする量なのです。
母乳だけで育てられた子どもは、より健康です。
人工栄養や混合栄養で育てられた子どもは、下痢や肺炎、その他の感染症にかかる回数が多くなります[6]。

母乳だけで育てる…安心です

母乳には、赤ちゃんが生後6ヵ月間に必要とする適切な量のカロリー、タンパク質、ビタミンと他の栄養素[7]に加え、必要な水分のすべてが含まれています[8]。
母乳は赤ちゃんにとって完璧な栄養となり、他のいかなる動物の「乳」や食べ物よりも容易に、そして完全に消化されます。
母乳で育てられた赤ちゃんは、大きくなっても人工乳で育てられた赤ちゃんに比べて肥満になりにくいのです。
またアレルギーになりにくく、知能テストの得点もより高いことが研究でわかっています[6]。

母乳だけで育てる…「持続可能」です

お母さんがどのような組み合わせで食材を食べても、栄養豊富な母乳は作られ続けます。
どんなに質素な食べ物であっても大丈夫です。
人工乳にかかる費用を心配する必要もありません。
お母さんの食費が多少増えますが、わずかな出費ですみます。

母乳だけで育てる…お母さんにとっても重要です

母乳だけで育てていると、産後6ヵ月間は月経が再開しにくいので、早すぎる次の妊娠を防ぎます。
そして、妊娠中に増加した余分な体重を落とすのを助けます。
女性は母乳を与えることで乳がんと卵巣がんのリスクが減り、おそらく骨粗しょう症のリスクも減ります[6]。 

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 なぜ、多くの赤ちゃんが母乳だけで育てられていないのでしょうか?

「母乳だけで育てる」とはどのようなことなのか、そして、いかにそれが重要なことであるか、お母さん、保健・医療の専門家、家族と地域住民が、理解していないからです。
母乳だけで育てるために、どのようにしたら最もうまくいくか、どのように始めればいいのか、そして、お母さんが困ったときにどうしたらいいのかが、よく知られていないのです。
そのため、お母さんに必要なアドバイスと支援を提供することができません。
生後6ヵ月の間母乳だけで育てることが可能であり、お母さんの母乳だけで足りるということ、つまり、誰でも十分な量の母乳が出るということを、お母さん自身も、保健・医療の専門家、家族と地域住民も信じていないからです。
わずかな量でも、余分な食べ物や飲み物を足すことが、実際には赤ちゃんに害があるかもしれないことに気がついていません。
お母さんが生後6ヵ月以前に、自宅内外のどちらにせよ、仕事に戻る必要があるからです。
企業の宣伝に、母乳だけよりも、人工乳を足したほうがいいというメッセージが含まれているからです。

BFHI(赤ちゃんにやさしい病院)

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 「ゴールド・スタンダード」を成し遂げましょう
  「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を社会の常識に

お母さんが赤ちゃんを母乳だけで育てられるように、そして母乳以外のものを与えたくなるような誘惑や圧力に負けないようにするために、お母さんには「正確な知識」と「応援してくれる環境」が必要です。
「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」が社会の常識となっていれば、また、家族や地域社会や保健・医療従事者が正確な情報を持っていれば、母乳だけで育てることが可能となります。

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 こうすれば、母乳育児はうまくいきます

お母さんと赤ちゃんが出産直後から肌と肌をふれあい、約1時間以内に最初の授乳を開始できるとき[10]。
こうすると母乳産生が促され、赤ちゃんが初乳を飲むことができます。
赤ちゃんが適切に乳房を深く口に含み、効果的にごくんごくんとゆっくり母乳を飲み込むことができるとき[11]。
夜も昼も、赤ちゃんが欲しがるときにはいつでも母乳を飲めるとき。
これは「自律授乳」もしくは「欲しがるときに欲しがるだけの授乳」と呼ばれます。
そのためには、赤ちゃんがベッドやスリング(訳注:新生児から使えるハンモック風の抱っこひも)でお母さんのそばにいるのが一番です。
常に、赤ちゃんが自分で、どちらかの、もしくは両方の乳房をどのくらいの時間吸うか決められるとき。
赤ちゃんに、おしゃぶりが与えられていないとき。
おしゃぶりを与えるとお母さんの乳房を吸う興味を失ってしまいます。

このような飲み方ができればたくさんの母乳が得られ、赤ちゃんはより満足してよく育つでしょう。
赤ちゃんは1日に少なくとも6回おしっこをして、軟らかい便を何回もします。
といっても、生後数週間してからは、便が毎日出なくても心配ありません。

このような母乳育児は、お母さんと赤ちゃんの心のきずなを深めます。
そして、お母さんが子育てを楽しめるようになり、自尊感情(自分を大切に思える心)を高めます。

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仕切りライン

授乳拡大イラスト母乳だけで育てるには、まず、赤ちゃんが乳房をきちんと口に含んでいることが大切です

◆赤ちゃんの上唇側の乳輪は見えているが、下唇側では乳輪がより深く入った状態で見えにくい

◆赤ちゃんの口は大きく開いている

◆下唇が内側に巻き込まれていない

◆下あごが乳房に触れている

効果的に吸っているサイン

◆時々休みながら、ゆっくり深く吸う

授乳のときの適切な抱き方と赤ちゃんの位置

◆赤ちゃんの体はまっすぐ(曲がったり、ねじったりしていない)

◆赤ちゃんの顔が乳房に正面から向き合い、はじめは、赤ちゃんの鼻は、乳頭の先に触れている(目はお母さんの目を見上げている)

◆赤ちゃんの体はお母さんの体にぴったりくっついている

◆赤ちゃんの頭やお尻だけでなく全身が支えられている

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仕切りライン

 以下のようなことがあると、ゴールド・スタンダードを満たせません

他の食べ物や飲み物が生後6ヵ月の間に与えられると、その分、母乳を飲めなくなってしまいますから、栄養的に「ゴールド・スタンダード」に及ばなくなります。
赤ちゃんが吸う回数が減ると、母乳が乳房にとどまるため、乳房が張りすぎたり、はれたりしてしまうかもしれません。
そして、母乳の出が悪くなり、お母さんは自分の母乳だけでは足りないと思うかもしれません。
赤ちゃんは、母乳だけで育てる場合ほど成長せず、病気にかかりやすくなります。

同様に、適切に乳房を口に含んでいない赤ちゃんは、何回もおっぱいを飲んでいても満足していないかもしれません。
そして、お母さんは母乳が足りないと誤解して、他の食べ物を与えるかもしれません。
適切に含んでいればこのようなことは避けられ、さらには乳頭が痛くなったり、乳腺炎になったりせずにすみます。

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 仕事は母乳育児の障害にはなりません

すぐに職場に復帰する必要のない女性や、赤ちゃんとほとんど一緒にいることができる女性であれば、赤ちゃんが生後6ヵ月になるまで母乳だけで育てることは、さほど難しくないかもしれません。
お母さんが出産の後、すぐに仕事に戻らなければならない場合は、より十分な準備と支援が必要です。
留守中はしぼっておいた母乳を与えてもらおうと考えるお母さんもいるでしょう。
搾乳に必要なのは大がかりな設備ではなく、プライバシーが守られ、便利に搾乳できるようなお母さんに優しい職場のあり方なのです。
このような職場であれば、お母さんは自信を持って搾乳を続けられるでしょう。

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 気遣いのある環境

出産の前、最中、後、そして母乳育児中のお母さんは、サポートを受け、安心感を得ることが必要です。
陣痛に付き添ってもらって励まされたり、分娩の渦中の緊張を和らげてもらったりすることで、出産直後からの母乳育児への準備ができるようになります[12]。
保健・医療専門家、家族と地域、お母さんどうしの支援グループは、お母さんの不安に耳を傾け、母乳だけで育てられる自信をお母さんがもてるようにするという方法で、力になることができます。
また、家事や他の家族の世話に追われる重荷を減らす手助けを必要としていることもあるでしょう。


日本の赤ちゃんにやさしい病院

日本では2001年現在、全国で20の産科施設が赤ちゃんにやさしい病院に認定されています。日本での認定は日本母乳の会に委任されています。

周囲のサポート

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 行動のためのアイデア

見出し 研究者のみなさんへ

具体的なアイデア 母乳だけで赤ちゃんを育てること」が、どの程度実践されているか、そして日本では
何が主な障害となっているのかを、簡単に評価してみてください。

見出し 政府関係者のみなさんへ

「世界的な運動戦略」と、「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を政策と計画に組み込みましょう。

具体的には:
具体的なアイデア 保健医療従事者のための母乳育児援助トレーニングを改善し、母乳育児に関連したグループのために講演や話し合いの場の手配を申し出ましょう。

具体的なアイデア 「母乳だけで赤ちゃんを育てること」を容易にする育児休業の立法に向けて活動しましょう。
具体的なアイデア 「母乳代用品の販売流通に関する国際規準(WHO規準)」を採択・施行するために活動しましょう。
具体的なアイデア 「母乳だけで赤ちゃんを育てること」について、全国あるいは一地方でおこなわれている割合や、その調査研究があるかどうかを確認しましょう。
  (このページに挙げた資料とインターネットを確認しましょう)

見出し 保健・医療専門家のみなさんへ

具体的なアイデア 自分が現状を見つめなおし、最新の「知識・技能・心構え」を採り入れて、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」を可能にするために必要なリーダーシップと技術的な支援を提供しましょう。
  あなたの病院が「赤ちゃんにやさしい」かどうか、「母乳育児を成功させるための10ヵ条」を実践しているかどうか、確認しましょう[10]
  母乳代用品の製造業者、または販売業者からのポスターや"教材"を使用しないようにしましょう。

具体的なアイデア あなたの職場の同僚には、「世界的な運動戦略」の情報が届いているでしょうか?
  職場で「世界的な運動戦略」の実現をするためには、どうすればいいでしょうか?
  病棟のスタッフだけではなく、新生児特別治療室(Special Baby Care Units)や外来、さらには清掃員などお母さんと会話をして影響を与えそうな職員も含めた病院のスタッフと話し合いの機会を持ちましょう。

「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」

2002年に、WHOとユニセフは、「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」[1]を発表しました。
これは、政府その他の国家機関に対し、母乳育児を徹底するために必要な措置を求めています。
つまり、すべての保健衛生及びその関係部局が、お母さんが生後6ヵ月までは母乳だけで赤ちゃんを育て、その後も2歳、あるいはそれ以降まで与え続けられるように、保護、推進、支援すること、そして、女性がその目標を達成するために家庭で、地域で、職場で必要とする支援を受けられるようにすることです。

「世界的な運動戦略」はこちら 「Global Strategy for Infant and Young Child Feeding」(WHO)
「世界的な運動戦略」はこちら 日本ラクテーション・コンサルタント協会(JALC)のサイトで日本語訳資料を購入できます。

生後6ヵ月間は母乳だけでOK!

具体的なアイデア 近代的な教育を受けた助産師だけではなく、昔ながらの「お産婆さん」も、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」や早期授乳のこと、授乳時の赤ちゃんの抱き方や乳房の含ませ方についての勉強会に招いたり最新情報に触れてもらったりしましょう。
具体的なアイデア あなたが担当しているお母さんに、今母乳で育てているかどうか、上の子どものときはどうだったのか、つまり「母乳だけ」だったのか、混合栄養だったのか、人工栄養だったのかを尋ねてみましょう。
  そして、なぜそうなったのかをお母さんから教わりましょう。
具体的なアイデア 「赤ちゃんにやさしい病院」とそうでない病院の「母乳だけで赤ちゃんを育てる」 割合を比べましょう。
具体的なアイデア 出産前後の母親教室や外来で「母乳だけで赤ちゃんを育てること」について話し合いましょう。
  どのようにしたらできるようになるか、また、どのようにしたらもっと母乳が出るようになるか、 お母さんに説明しましょう。

具体的なアイデア あなたが担当しているお母さんに、今母乳で育てているかどうか、上の子どものときはどうだったのか、つまり「母乳だけ」だったのか、混合栄養だったのか、人工栄養だったのかを尋ねてみましょう。
  そして、なぜそうなったのかをお母さんから教わりましょう。
具体的なアイデア 「赤ちゃんにやさしい病院」とそうでない病院の「母乳だけで赤ちゃんを育てる」 割合を比べましょう。

見出し 赤ちゃんと離れて働くお母さんへ

具体的なアイデア 職場や地域で、妊娠している女性や授乳中の女性、あるいは、女性に限らず母乳育児に理解のある男性に連絡を取ってみましょう。
  自分の子育てや搾乳について、どのような選択をしたのか、うまくいったところや苦労したことなどの経験談を聞きましょう。

具体的なアイデア 人事担当者に対して、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」という問題提起をし、授乳や搾乳のための休憩時間、職場内保育室、授乳室など、お母さんを外部から支援する方法について話し合いましょう。
  母乳育児の方針を確立しましょう。

見出し 地域のグループ、お母さんのサポートグループ、その他の団体へ

具体的なアイデア 自分たちの考えを、祖父母、赤ちゃんのお父さん、その他の男性に伝え、彼らの考えも聞いてみましょう。
  親どうし、祖父母どうしのサポートグループを育てましょう。
  支援するためのスキルを高めあい、お母さんが母乳だけで赤ちゃんを育てることができるように、よりよいサポートができるような方法を模索しましょう。

具体的なアイデア 近隣の、母乳育児相談などお母さんのケアをする場や保育園について、「母乳だけで赤ちゃんを育てる」ためにどのようにサポートしているかという観点から「採点」してみましょう。
  しっかりサポートしてくれる施設を公表しましょう。

具体的なアイデア あなたのグループや「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」について、一般の認識を高めるキャンペーンや催し物を開催しましょう。
  「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を推進するような楽しいプログラム(例えば、歌、寸劇、ダンス)を計画しましょう。

具体的なアイデア 生後6ヵ月間母乳だけで育てられた赤ちゃんのための卒業式を企画しましょう。
  きょうだい同時期の母乳育児であっても、生後6ヵ月間、母乳だけで子育てができた家族を、「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」の1つのモデルとして紹介しましょう。

具体的なアイデア 母乳代用品の広告がマスコミや地域の保健センターにあるかどうか目を光らせましょう。
  これを規制する法律があるか調べましょう。
具体的なアイデア 赤ちゃんのお父さん、それ以外の家族、友人、地域から、どんなサポートを現実に受け、理想として求めているか、また、それがお母さんの選択にどのような影響を及ぼしたかを女性に尋ねましょう。

具体的なアイデア インターネットを通じて情報を共有したり、メーリングリストを作ったりしましょう。

見出し 教育者と教師のみなさんへ

具体的なアイデア 医療、保健、生物学といった分野の教師に「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」について学んでもらえるようなきっかけをつくりましょう。
  その人たちにこのパンフレットを渡しましょう。

具体的なアイデア 学生、従業員、宗教団体、女性団体にも理解を呼びかけましょう。
  母乳育児を知ってもらうために、お母さんと赤ちゃんを伴って訪ねて母乳育児を見てもらい、「母乳だけで赤ちゃんを育てる」の価値と実用性を話し合いましょう。
具体的なアイデア 「生後6ヵ月までは母乳だけでOK!」を推進するポスターやちらしをデザインする際に、スタッフや学生を巻き込みましょう。
  そして、あなたの勤務先(大学、学校その他の教育機関)に展示したり、配布したりしましょう。

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 生後6ヵ月間も母乳だけで育てることなんてできるの?

もちろんできます!

このことはこれまでにも、繰り返し実証されています。
お母さんが母乳だけで育てる意義を理解し、そのためのサポートが得られれば、それは可能なのです。
お母さんをサポートするグループでは、参加するお母さんが「母乳だけで赤ちゃんを育てる」ことができるようになるのを常に目の当たりにしています。
地域の人、ピアカウンセラー(相談に乗ってくれる仲間)、プライマリーケアのスタッフに力づけられたり、援助してもらったりすることで、より多くのお母さんが母乳だけで子育てができるようになっています。
 訳注訳注:
プライマリーケアとは、地域住民に最も近い「かかりつけ」の立場で、そのときどきで必要とされる医療・保健上のアドバイスやケアを提供すること
以下に、いくつかの事例を紹介します。

→ ガンビアでは、医親どうしのサポートグループのような「地域支援グループ」が、正確な情報を伝え、母乳育児サポートのための適切なスキルを使ってお母さんを援助するためのトレーニングを受けました。
その結果、産後1時間以内に初めての授乳をするお母さんが増え、99.5%が生後4ヵ月間、母乳だけで赤ちゃんを育てるようになったのです。
この率は、他の村ではわずか1.3%に過ぎませんでした。
現在では、ガンビアの200以上の地域が、「赤ちゃんにやさしい地域」となっています。
Semega Janneh IJ et al, Health Policy and Planning, 2001(2) pages 199-205

→ ガーナでは、さまざまな方法を使い、講習会や研修をおこなって、祖母、お父さん、メディアを含むより広い共同体に情報が提供されました。
そして複数の母親どうしのサポートグループが生まれています。
生後5ヵ月の時点で母乳だけで赤ちゃんを育てているお母さんの数は、2年間で44%から78%まで増加しました。
LINKAGES project Country Activities Report

→ ガーナでは、女性の経済活動を助けるために村内銀行が女性に少額ローンを設けました。
その女性たちは、保健衛生と小児栄養の教育を受けました。
母乳だけで赤ちゃんを育てる平均期間は1.7ヵ月から4.2ヵ月にまで延び、1歳の時点での子どもの栄養状態が改善されました。
MkNelly B and Dunford C. Freedom from Hunger Research Paper 4, 1998

→ インドでは、保健衛生や栄養を担当する職員が工夫して、他のプライマリーケアの仕事の合間に、母乳育児について、お母さんにカウンセリングをおこなうようになりました。
6ヵ月の時点で、カウンセリングを受けたお母さんでは42%が母乳だけで育てていましたが、受けなかったお母さんでは4%だけでした。
Nita Bhandari et al. The Lancet 2003; vol 361: pages 1418-23

→ バングラデシュでは、地元のお母さんが、母乳育児をするためのピアカウンセラーとしてトレーニングを受けました。
妊娠中から訪問を始め、産後5ヵ月まで合計15回の訪問をするピア・カウンセリング・プログラムです。
カウンセリングを受けたお母さんは、授乳の開始が早まり、70%が生後5ヵ月間母乳だけで赤ちゃんを育てました。
カウンセリングを受けなかったお母さんでは、同じ生後5ヵ月間、母乳だけで赤ちゃんを育てた割合がわずか6%でした。
Haider R et al. Lancet 2000; 356: 1643-1647

→ メキシコでは、地元のお母さんが、家庭訪問して母乳育児の相談に乗れるようなトレーニングを受けました。
家庭訪問を受けなかったお母さんで、母乳だけで赤ちゃんを育てたのは12%でした。一方、この数字は、3回の訪問を受けたお母さんでは50%に、6回の訪問を受けたお母さんでは67%に上がりました。
Ardythe Morrow et al. The Lancet 1999. Vol 353 pages 1226-31

→ 
ベラルーシでは、16の「赤ちゃんにやさしい病院」で出産したお母さんの43%が、生後3ヵ月の時点で母乳だけで育てていましたが、そうでない15の病院では母乳だけのお母さんは6%しかいませんでした。
Kramer MS, et al. Journal of the American Medical Association 2001; vol 285:pages 413-20

アジアのお母さん→ ボリビア、ギニア、インド、ニカラグアでは、Save the Children やCAREといったNGOが医療・保健従事者やコミュニティ・ワーカー(地域で支援する人たち)をトレーニングすることで、祖母や父親、男性グループやお母さんどうしのサポートグループをも巻き込んで、地域の支援運動を展開しました。
ギニアでは、「母乳だけで赤ちゃんを育てること」の比率は11%から44%まで増加しました。
インドでは41%から71%、ニカラグアでは10%から50%に増加しています。
ボリビアでは、 ラパスの低所得地区における地域活動にサポートグループが加わると、下痢の罹患率は半分になり、生後6ヵ月未満の赤ちゃんが母乳だけで育てられる割合は75%以上にまで増加しました
Save the Children final evaluation, Mandiana Prefecture, Guinea.CARE India, Nicaragua and Bolivia, Final Evaluation of Child Survival Projects, 2002 and 2003.

→ フィリピンでは、働く女性でも母乳育児を続けられるような「赤ちゃんにやさしい」保育所が作られました。
お母さんは、好きなときに立ち寄って授乳することもできるし、しぼった母乳を預けたり、乳母に授乳を頼んだりすることができます。
生後6ヵ月以降の赤ちゃんのための固形の補完食は、地元の自然な材料から作られていました。
(こちらを見てみましょう)

→ 
ノルウェーとスウェーデンでは、母乳育児の割合はヨーロッパの他の地域よりはるかに高いです。
理由の1つは、保健衛生当局がお母さんの組織と相談しながら事業を進めているからです。
当局はお母さんからの意見や評価によく耳を傾け、尊重し、理解を示すようにしています。 
The breastfeeding investigation in year 2000. Eide I, et al. Report submitted to the Board of Health, Norway, May 2003.

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 参考文献

1. WHO/UNICEF Global Strategy for Infant and Young Child Feeding. 2002 World Health Organization, Geneva  クリック
2. The optimal duration of exclusive breastfeeding: A systematic review. 2001 World Health Organization, Geneva WHO/FCH/CAH/01.23, and WHO/NHD/01.08
3. Butte NF, Lopez-Alarcon MG, Garza C. Nutritional adequacy of exclusive breastfeeding for the term infant during the first 6 months of life. 2002 World Health Organization, Geneva  クリック
4. Indicators for assessing breastfeeding practices. World Health Organisation, Geneva WHO/CDD/SER/91.14
5. Hanson LA, Human milk and host defence: immediate and long-term effects. Acta Pediatrica 1999; 88:42-6
6. Leon-Cava, Natalia. Quantifying the benefits of breastfeeding: A summary of the evidence. 2002 The LINKAGES Project,
Academy for Educational Development  クリック
7. Prentice A. Constituents of human milk. Food and Nutrition Bulletin 1996; 17(4). 305-312
8. Martines J, Rae M, de Zoysa I. Breastfeeding in the first six months. No need for extra fluids. British Medical Journal 1992 (304):1068-1069
9. Labbok M. The lactational amenorrhoea method (LAM). A postpartum introductory family planning method with policy and programme implications. Advances in Contraception, 1994, 10(2):93-109
10. Evidence for the Ten Steps to Successful Breastfeeding. Division of Child Health and Development, World Health Organization WHO/CHD/98.9   クリック
11. Woolridge MW. The "anatomy" of infant sucking. Midwifery 1986, pages 164-171
12. Kroeger,M. Impact of birthing practices on breastfeeding: protecting the mother and baby continuum. 2004 Jones and Bartlett
13. Coutsoudis A, Pillay K, Kuhn L. Spooner E, Tsai Wei-Yann and Coovadia HM for the South African Vitamin A Study Group. Method of feeding and transmission of HIV-1 from mothers to children by 15 months of age: prospective cohort study from Durban, South Africa. AIDS 2001; 15:379-387
14. Hypoglycaemia of the newborn: A review of the literature. World Health Organization, Division of Child Health and Development. WHO/CHD/97.1  クリック

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 医療・保健従事者、地域やお母さんのサポートグループのための情報源―困ったときはこちらへ

WHO/UNICEF Breastfeeding Counselling: a training course. WHO/CDR/93.3-6
World Health Organization training course materials and technical documents  クリック and クリック
LINKAGES ToT for mother support groups  クリック(pdfファイル)
La Leche League International: useful information on many practical aspects of breastfeeding   クリック  → ラ・レーチェ・リーグ日本
Breastfeeding Women at Work  クリック

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Acknowledgements
Key writer: Felicity Savage. Co-writers: Judy Canahuati and Jairo Osorno. Many thanks to reviewers: Jean Pierre Allain, Stina Almroth, Denise Arcoverde, Anwar Fazal, Els Flies, Ted Greiner, Arun Gupta, Elisabet Helsing, Antonieta Hernandez, Hiroko Hongo, Pauline Kisanga, Mary Kroeger, Miriam Labbok, Michael Latham, Banyana Madi, Rebecca Magalhaes, Chris Mulford, Elaine Petitat-Cote, Quan Le Nga, Nathalie Roques, Dien Sanyoto Besar, Shaheen Sultana, Betty Sterken, Beth Styer, Virginia Thorley, Penny Van Esterik and Liew Mun Tip. Illustrations: Viera Larsson. Production: Liew Mun Tip, Susan Siew and C-Square Sdn. Bhd



ユニセフ:「母乳だけで赤ちゃんを育てること」に関する情報や支援をさらに詳しく知りたい方は、地域のユニセフ事務所や委員会にご連絡ください。
詳細はユニセフのウェブサイトをご覧ください。  クリック
その他母乳育児については、クリック をご参照ください。

WABA世界母乳育児行動連盟(WABA)は、母乳育児を保護・推進・支援する個人と組織の世界的なネットワークです。
WABAの活動は、「イノチェンティ宣言」「すばらしい未来を作り出すための10のリンク(連結)」「乳幼児の栄養に関する世界的な運動戦略」に基づいています。
中心となる仲間は、国際乳児用食品行動ネットワーク(IBFAN)ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル(LLLI)国際ラクテーション・コンサルタント協会(ILCA)Wellstart  Internationalウエル・スタート・インターナショナル母乳育児医学アカデミー(ABM)LINKAGES(アメリカの国際開発局の乳幼児栄養改善に関するプロジェクト)です。
WABAは、ユニセフ(国連児童基金)の諮問資格を有し、また国連経済社会理事会(ECOSOC)の特殊協議資格を持つNGOです。
Baby&Drum
WABAはいかなる形でも、母乳代用品、関連する器具や母乳育児中の母親に対する商業的な食品、商業的な補完食(離乳食)を生産、販売流通する企業からの資金援助や寄贈はお断りしています。
WABAは世界母乳週間の参加者全員が、この倫理上の立場に従い、これに敬意を払ってくださるようお願いしています。

このプロジェクトはオランダ外務省(DGIS)の資金提供とユニセフの支援を受けています。
しかし、このパンフレットの内容は必ずしも両者の方針や見解を反映しているわけではありません。

WABA, PO.Box 1200, Penang 10850, Malaysia. 
Fax: 604-6572 655 Email: secr@waba.po.my 
Website: http://www.waba.org.my/



日本国内の連絡先BSNJapanロゴ
 母乳育児支援ネットワーク
 
Breastfeeding Support Network of Japan
  (BSNJapan)

  http://www.bonyuikuji.net/

母乳育児支援ネットワークは、WABAの活動を日本で紹介するとともに、日本での母乳育児を支援する活動をおこなうことを目的として2000年に設立された非営利団体です。
WABAの支援団体として登録されており、母乳育児支援の関心のある方の参加と協力をお待ちしております。
母乳育児支援ネットワークは、2004年1月1日より会員制度をスタートさせました。
入会希望の方は、次の事項を振込用紙の通信欄にご記入のうえ、年会費(3000円)をご送金ください。
お名前・ご住所・電話番号・FAX番号・E-mailアドレス・所属や母乳育児との関わり等。

 会員には、
●入会時に刊行物を進呈します。
●毎年のパンフレット日本語訳を送付します。
●資料購入の際の割引制度があります。
●会員向けメーリングリストに登録できます。

振込先:郵便振替口座 00110-2-611471
    加入者名 母乳育児支援ネットワーク
参照 詳しい入会案内はこちらです



このパンフレットの翻訳と配布はWABAからの許可によって実現しました。
日本語訳を複製する場合は事前に母乳育児支援ネットワークまでお問い合わせください。

翻訳・校正スタッフ:多田香苗(IBCLC)、瀬尾智子(IBCLC)、高橋万由美、円谷公美惠、本郷寛子(IBCLC)、山崎陽美 
印刷レイアウト:小竹広子
サイト・レイアウト:池田まこ


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母乳育児支援ネットワークは、市民コンピュータコミュニケーション研究会JCAFEの運営協力を受けています。